。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。








「ふぅん♪恋の香りがするぜ♪」


戒はニヤリと笑って顎に手を掛けて、


ぇえ゛!?恋っ??


ってかキョウスケは!?


と一人あたしだけがあたふた。


「面白そう!行こうぜっ♪」


戒があたしの手を強引とも呼べる仕草で引っ張り、


「あ、おい!朔羅っ!!」と何故か千里もくっついてくる。



人のこーゆー場面を盗み見るのはイケナイことだけど、


結局、何だかかんだ言いつつもやっぱり気になってたり…


リコと正統派爽やかBOYのアオヤマはひとけのない階段まで歩いていった。


キョウスケは似非爽やかだっ!あいつ最近黒さがにじみ出てるからな…


二人が向かって行った場所は、


そこは確か……


3年の校舎に続く中央階段で以前、戒がキモ金髪野郎とその取り巻きたちに連れて行かれそうになっていた階段だった。


ちょっと様子を伺うつもりで~…


ひょっ


あたしたち三人は校舎の壁からそっと顔だけを覗かせた。


リコとアオヤマは階段の踊り場で、ぎこちなく会話をしている。


こ、これはもしや告白なるもの!?


以前マドンナ新垣 エリナが戒に告白していたときと同じ雰囲気…


さすがに離れているからどんな会話をしているのか分かんねぇけど、リコとそのアオヤマは小声で何かを喋り、


やがてリコが小さく頭を下げて、アオヤマは気落ちしたように肩の力を落とした。


「リコちゃん、あいつをフったのかぁ~やっぱキョウスケさんが好きだから??」


頭上でキモ金髪野郎の声が聞こえてきて、


「まだそうとは決まってないだろ?」とあたしも声を低めて返した。


ん゛!?


「おい!キモ金髪!!てめぇが何でここに居るンだよ!」


「だってここ通り道ですし♪」


「し!朔羅!!バレるって!!」


と、戒が小声であたしの頭を押さえつけ、その節にバランスを崩したあたしたちは、


まるでお団子のように重なって廊下に転がり出た。





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