。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
「ふーん♪俺、朔羅とペアになりたい♪」
「うちはくじ引きだっつって聞いてなかったのかよ」
と千里が戒を睨む。
「都合の悪いことは聞こえない耳してんだよ」
ケっと呟いて戒が耳をほじほじ。
あたしだって戒とペアになりたい……のか??ある意味危険すぎる…ケド
やっぱりペアになりたい。
でもこればっかりはなぁ…
「きもだめしのことは分かった。んで?何で川上はあのアオヤマくんと知り合いなの??」
と戒が意地悪そうに聞いて、リコはちょっとだけ顎を引いた。
「夏休みに駅で偶然会って、ちょっと話した程度だよ。
あたしはあんまり青山くんのこと知らなかったけど、向こうは結構あたしのこと知ってて…」
「恋の香りがする♪」
と戒はにこにこ…てか、にやにや?
何だよ恋の香りって!何だよ、そのロマンチックなフレーズは!
突っ込みどころ満載だが、
「…あ、あたし……好きな人居るって言ったらがっかりしちゃって」
好きな人ってのは聞くまでもなく
―――キョウスケのことだよな。
キョウスケ…つい先日もリコの長いメールに返信しようとして、またもけんしょーえんになりかけてた…
「い…痛い。指吊った」と細い指をふるふるさせながら涙なんて浮かべて。
「お前バカ!?パソコンから転送すりゃいいだろ」と戒が呆れかえって、
「ム。戒さんにバカ呼ばわりされたくありません」
「何やと!」
またも喧嘩勃発。(もうこのごろあたしも放置)
くだらなさ過ぎる。
あいつもよく分かんねぇヤツだよな。(メールでけんしょーえんとか)
てかイチもキョウスケのこと好きみたいだし??
何せストーカーするぐらいだからな。
でも、あの鈍感男をリコがここまで好きになるとはな~…(←人のこと言えない)
あいつ……リコの気持ちに、ちっとも気付いていないみてぇだし。
どうなるやら。