。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
マドンナ新垣 エリナは口元を押さえていて顔色が悪かった。
目に涙を浮かべている。
「どしたの?」
龍崎くんが心配そうに新垣 エリナを覗き込み、
「…あの…ペアになった男子とはぐれちゃって……あたし…一人で夜の学校……怖くて…」
マドンナ新垣 エリナは震える声で説明をした。
はぐれちゃって??怖くて?
なんなのよ、そのブリッコは。
あたしはふんと顔を逸らした。
「はぐれたってその男子は先行っちゃったの?」龍崎くんが聞いて、新垣 エリナが眉を寄せて頷く。
「女子を置いて先行くとか、しょうがないヤツだなぁ」
龍崎くんも困ったように頭の後ろに手をやる。
「ちょっと!まさかマドンナと三人で行こうとか言い出すんじゃないでしょうね」
あたしが小声で言って龍崎くんの袖を引っ張ると、
「しゃーないだろ?こんな震えてんのに一人置いてくことなんてできねぇよ」
「嘘!マドンナが龍崎くんのタイプだからでしょ!」
「はぁ?俺のタイプじゃねぇって」
龍崎くんは眉を吊り上げてあたしのおでこを指で弾く。
「タイプじゃないって、ホント?」疑うように聞くと、
「嘘つかねぇって言ったばかりじゃん。可愛いけど、俺ああゆういかにも儚げなお嬢様タイプ苦手なんや。
俺の本性知ったらぶっ倒れるぜ?」
ま、まぁそれは…あるかも……
「俺のタイプは心臓も気も強そうな女。ついでに言うとエロければ尚良い」
あっそ。
「てか龍崎くんSに見えて実はM??気が強そうな女が好きって。まぁ確かに朔羅は気が強いケド」
「Mぅ?まぁ普段はちょっとそうゆう気があるかもだけど…って認めるなよ、俺。
ベッドでは完全にSだ。気が強そうな女ほど攻めたくなる」
べ、ベッド!?
「何言い出すのよ!乙女を目の前にしてっ!」
「お前から出したんだぜ~?この話題」
と話し合って(?)ると、
「……あの…?」
新垣 エリナがおずおずと言い出して、あたしたちは二人してそっちを見た。