。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
「まぁ、ここで話し合っててもしょうがないし、三人で行こうか」
龍崎くんは苦笑い。
「…いいの?」
新垣 エリナが潤んだ大きな目で龍崎くんを見上げる。
「女の子を一人こんなところに置いていけないし」
と紳士な龍崎くんの中身は実はド変態です。と新垣 エリナに言ってやりたい。
―――と言うわけで…あたしと龍崎くん、そして新垣 エリナと言う変な組み合わせで移動することになった。
お化け役の生徒から脅かされるたび「キャッ」と可愛い声を挙げて龍崎くんの袖にしがみつく新垣 エリナ。
あたしは元々怖がりじゃないし、全然平気だけど、新垣 エリナの行動が気になってつい目を吊り上げる。
間に挟まれた龍崎くんは居心地悪そうにこめかみの辺りを搔いて、
「こうなるって分かってたらかっこつけてないで、ペアを変わってもらえばよかったかな…」と弱音を吐いている。
「朔羅が相手だったらもっとややこしい状況になってるでしょうが」
またもあたしは小声で言うと、
「そーだよなぁ…」
と龍崎くんはがくりと肩を落とす。
「モテる男は辛いね」
嫌味たっぷりで言ってやると、
「か・わ・か・み(怒)」と口だけ動かして龍崎くんが睨んできた。
そんな感じで途中まで歩いてきたけれど、残り半分と言うところで
ピタリ
突如、龍崎くんが脚を止めた。
「どうしたの?」
いぶかしんで聞くと、龍崎くんは真剣な様子で目を開いてうっすらと口を開けた。
「朔羅?」
「え?朔羅がどうしたの?」
「朔羅が泣いてる……」
ぽつりと呟いて、龍崎くんは踵を返した。