。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
千里の手術は数時間後無事終わり、それでも手術後はすぐに話すことはできないみたい。
あたしたちはそれぞれの家に帰されることになった。
あたしと戒はキョウスケ運転の車で。
リコだけは千里のおっちゃんが送ってくれる。
あたしだっておっちゃんの車に乗りたかったよ~~!(泣)
おっちゃん、あたしを置いていかないでっ!!
と言う心の叫び声を上げて手を震わせていると、
「お嬢はこっちですよ」
キョウスケに引っ張っていかれた。
いやーーー!!
その数分後…
「「ぎぃぇえええええ!死ぬぅううううーー!!」」
あたしと戒の叫び声が夜空にこだまし、
キョウスケの運転する車は恐ろしいほどのスピードで夜の街を駆け抜けた。
肝試しでもここまで叫ばなかったあたしら。この日一番の恐怖を味わったわけだ。
キョウスケの「キョウ」の字は「狂」に間違いねぇ!
狂スケめっ!!
―――…
次の日の午前中。
あたしのお部屋にリコが遊びにきて、戒も呼んで三人で夏休みの宿題中…
な、筈が宿題そっちのけで昨夜の出来事をおしゃべりすることに夢中。
「って言うわけヨ。川上、お前響輔の車に乗らなくて正解だぜ?」
あたしは戒の隣でその意見に激しく同意の意味でぶんぶん頭を振ると、
「あたし、ジェットコースターとか大丈夫なほうだよ!」とリコは一生懸命。
「俺だって好きな方だよ。だけどあいつの運転は違う意味で絶叫もんだ」
「あたしも大丈夫だけどあれだけは無理。マジで命の危機!」
身震いして思わず肩を抱くと、
「響輔さんと二人きりのドライブデートだったら、違った意味でドキドキかも♪」とリコがちょっとその様子を想像してうっとり。
リコもたまにKY。
リコは知らねぇから。
あいつの運転はマジで怖いんだぜ!!
とりあえずピクニックのダブルデート(?)は車はなしだな。