。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
「き、キスぅ!?」
あたしは思わず口に出してしまって慌てて口を塞いだ。
「じゃ、彼氏じゃねぇの?
付き合ってたら普通にチューぐらいするだろ。
俺だって朔羅とはいつでもしたいぜ~?」
ん~と戒の顔が迫ってきて、
「ギャァ!
おめぇ時と場合を考えろっ!!二人きりじゃねんだし!」
あたしは戒を押しのけるのに必死。
リコは赤くなった顔を隠すように両手で顔の前で覆う。
「み…見てないからどーぞ」
ありがたい発言だが、こうゆうのは二人きりのときしか無理!
「まぁ戒の言うとおり彼氏なんじゃないの?付き合ってたらチューぐらいするだろし。
あの純情そうなマドンナが車でチューとかちょっと意外な感じダケド」
「ってか川上、お前も暇だな~」
「人の告白現場覗きに来る人に暇人呼ばわりされたくないよ」
ムとリコが眉を吊り上げ、それでもすぐにちょっと考えるように眉を潜め
ここにはあたしたち三人しかいないのに、まるで重大な秘密ごとを告白するように口元に手をあて顔を寄せてきた。
「だってその人……三十は軽く超えてそうな大人の人だよ。
朔羅の叔父様よりもっと年上な感じ。それにその人―――……」
リコはまたも口を噤んで、あたしたちは目をぱちぱち。
叔父貴より年上かぁ。
あたしだって叔父貴とチューしたことあるぞ?
最初のチューはきっと叔父貴にとって家族の愛情表現だろうけど(あたしは一人でドッキドキだったケド)
二度目は……いや、今は考えたくないな…
歳の差恋愛かぁ、とのんびり思っていたが、
「薬指に指輪してたもん」
薬指に指輪ねぇ。
何だ、大したこと……
「あるじゃねぇか!!!」