。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
「え゛!不倫??援交!?」
さすがの戒も驚いて口をぱくぱく。
どっちにしろイタダケない。
「はぁ~あの真面目そうな子がねぇ」としみじみ。「人間て見た目じゃ分かんねぇよな」
「優しいメガネ王子様がまさかのヤクザだったり?」
からかうように戒を見ると、
「マイペース無表情、ときどき天然男がまさかの東大医大生さまだったり?」
と、さりげなくキョウスケの話題に変える。
噂されてる当の本人は、今日は大学に用があるみたいで朝早くから出かけていった。
キョウスケ不在でリコは残念そうだが。
まぁ二人とも黙ってりゃ、誰も背中に立派な代紋背負ってるなんて思い付きもしねぇだろうな…
「だからあたしはあの子が嫌いなの。
何も知らないみたいな清純ぶってブリッコしてるから。裏じゃ遊んでるんだからね。
また男子もころっと騙されるんだよね~」
リコは意地悪そうに戒を睨んで、戒は慌てて顔を逸らした。
はー…まぁそりゃ頷けるけど。
ブリッコかどうかは知らねぇけど、あたしと違って女子力120%だしな。
直接目撃してるわけじゃないから全部同意できるわけじゃないけど。
「しかも早朝の学校の前で。
あたしはその日たまたま日直か何かで早く行かなきゃいけない日だったの。
見てないフリで慌てて通り過ぎたけど」
「ストーカーってそいつかな?」
「は??ストーカー?」
あたしが戒に聞くと、
「ああ、なんか前にストーカー被害に遭ってたって言ってた」
「それも龍崎くんに近づく口実でしょ?
騙されてるんだよ、龍崎くんは」とリコは疑いのまなこ。
「でも俺を騙してどーするつもりなんだよ」
「そりゃ龍崎くんを狙ってるからに決まってるでしょ」
「そりゃねぇだろ。一回告られたけどお断りしたし。
朔羅と付き合ってること知ってたっぽいし」
「だから、二人を別れさせて自分のものにしたいと思ってるんでしょ?」
「そこまで執着してるようには見えねぇけど」
「バカね、それが手よ、手」
あたしは二人の会話のテンポについていけず、一人あたふた。
二人のやり取りを大人しく聞いてるだけだった。