。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
「分かりづれぇ手だな。
まだ俺のことが好きだったらそう言ってくれればいいのに」
戒はむ゛ーと唸る。
「好きだって言ったらどーするつもりだよ」
あたしが戒を睨むと、
「い、いや!またお断りするけどさっ。
さすがに二回目もフられたら諦めるだろ。
てかあの子、別に俺のこと好きじゃねぇよ」
「何で分かるのよ」リコが怪訝そうに聞く。
その質問に対して
「勘」
戒はきっぱりはっきり。
「勘てな!説明になってねんだよ!」
「いや!マジでこの辺の勘当たるんだってば!!
あ、この子俺のこと好きかな~とか。そう思ったら告られるから
だから川上が俺のこと本気で好きじゃないってことも当たってだろ?」
鼻の先を指でさされて私はより目。
う~ん、確かに。
女みてぇな勘だな。てか恋愛に関しては野生並みだな。
「てか龍崎くん、朔羅にそんなこと話してたの!信じられないっ」
今度はリコがぷりぷり怒ってぷいと顔を逸らす。
「いや!あれはあれでー…ほらっ!会話の流れで!!」
戒は必死にあたふた。リコ…もしかしたらあたしより強ぇえんじゃね??
でもすぐに気を取り直した戒は、
「だけど新垣からはそれが感じられないって言うかさぁ」
顎に手をかけて首を捻る。
「最初に告られたときは、マジだったとは思うけど、もう好きじゃない気ぃがするんだよね~」
「あくまでただの勘だろ?当てになるかよ」
あたしは腕を組んでため息をついた。
もし
マドンナがまだ本気で戒を好きだったら―――
マドンナは可愛くて優しそうで、女の子っぽくて料理が上手で器用で……
あたしはあの、“女の鑑”みたいな子に太刀打ちできない気がして
ちょっと怖いんだ。