。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
戒がそう簡単に心変わりをするとは思えないけど。
でも人っていつ、その感情が変わるかなんて自分自身でも分からないし。
あたしが叔父貴をすごく好きだったけど、
戒を好きになったみたいに―――
嫌な考えを吹き飛ばすように頭を振って、
「今考えたってしょうがない!宿題しよっ!」
強引に話を終わらせた。
十数分後…
無理やり話を終わらせて宿題に熱中しようとしたけど、あたしお勉強の方がもっと苦手だった(泣)
すぐに難問にぶつかり、考えても問題が解けないと知ると
ノートのはじっこに関係ない落書きを書き書き。
戒は最初から宿題なんてする気がないのか、ケータイゲームで遊んでるし。だれてんなぁ、あたしたち。
唯一の真面目はリコだけ。
「朔羅~早くやんないと終わらないよ?」
リコが呆れたようにあたしのノートを覗き込み、でもノートの落書きを見て目をぱちぱち。
「えー?何それ♪ケーキ??朔羅、絵うま~い☆」
そう、あたしが落書きとして書いていたのは二段重ねのホットーケーキ。
ホットケーキの上には生クリームが乗っていて、さらには星型やハート型のゼリーやフルーツが乗っかっている。
「バイト先で頼まれたんだ。夏フェアやるから女子ウケするの考えろって」
「おいしそ~♪♪」
リコもスイーツ大好きだからな、「おいしそう」って言ってくれて良かった♪
でもこれは戒のお陰もあるって言うのか…
リコの言葉に戒もあたしのノートを覗き込んできて、
「ほんとだ。絵上手いじゃん♪うっまそ~♪♪」
とよだれを垂らしそうな感じで目を輝かせた。
戒がホットケーキ好きだったから。
あたしが作ったホットケーキを嬉しそうにおいしそうに食べてくれたから、だ。