。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
「龍崎の?何だよ、爆弾でも入ってんじゃねぇのか?」
千里は気味悪そうにそれを受け取って、恐る恐ると言った感じで紙袋のふたを開ける。
その中から出てきたのは……
金髪美女がほとんど裸で近いかっこで映っている
エロ本だった。
「………」
千里はそれを見つめたまま硬直。
「あ、あいつぁ!!何考えてゃがんだ!」
あたしは思わず怒鳴り声を上げ、リコは顔を真っ赤にさせて両手で顔を覆った。
「…ま、まぁあいつの気持ちはありがたく受け取らせてもらうョ」
千里は苦笑いを漏らしながらもそそくさと枕の下にそれを隠しいれる。
「てかあいつセンスいいじゃねぇか。見直したぜ」
とボソっと呟き、あたしは千里を睨んだ。
「男子って不潔!」
リコがあたしの腕をとってぎゅっと抱き寄ってくる。
「そだ、そーだ!」と同意したが、
「あのなぁ、これ持ってきたの龍崎だぜ?それにキョウスケさんだって見るだろ」
千里は呆れ顔。
「きょ、響輔さんはそんなの見ないもん!」リコは否定したが、
キョウスケ…う゛~ん…あいつも見るのかな。
否定できないあたし。何故ならタクとのそれらしいやり取りをはっきり聞いちまったから。
考えたらあたし…野獣とも言える野郎共の中でよく無事でこれたな。
って、昼間っからあたし何考えてんだよ。
あたしは話しを変えるつもりで、
「なぁギプスに落書きしていい?♪」ご機嫌に聞いてみた。
一度やってみたかったんだよね~
「ああ、午前中ツレが来て書いてったからスペースあるかどうか分かんねぇけど」
千里が僅かに身を起こし、あたしはそれを制しながらも近くにあったマジックペンを手にした。