。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。



――――

――


「って言うわけだよ。白へびさまは“かごめ神社”ってとこの守護神らしい」


「ふむふむ。あんま参考になんねぇな」


「はっきり言うなよ!」


例のごとくバイト先のカウンターの下であたしはしゃがみこんで、戒はヤンキー座りをしてひそひそ。


「あの……仕事してください」


とバイトの先輩がおずおずと声を掛けてくるも、


「うるっせぇ!今取り込み中なんだよ!」


戒が一喝すると、「は、はい!すみませんでした!俺がいきます」と、先輩は慌てて逃げていった。


「白へびさまが恋の守護神ねぇ」


「まぁそれは後付されたもんだろ。実際千里のおばちゃん効果なかったって言ってたしな。


あ、あったのか?偶然再会したって言ってたしな。


だけど偶然だしな」


「そんなんどーでもいいんだよ。


問題は一ノ瀬がその恋の守護神である白へびさまストラップをお前にやったってとこだ。


あいつ、堂々と俺の嫁にちょっかいかけやがって」


「嫁候補だろ!ってかリコにもあげてたし、千里はその意味知らなかったんだよ」


あたしが眉を吊り上げると、


「問題のタイガもその白へびさまを知ってたわけだろ?もしかしてその辺じゃ有名な恋スポットなのかも」


と戒が顎に手をかけて首を捻る。


「いい歳した大人が恋のおまもりに頼るかよ。あいつぁお守り持ってるより黒魔術してるほうがお似合いだ」


「そりゃもっともだ。


ってかあいつって本当は誰が好きなの?」


「お前とキョウスケだろ」


あたしも間違いなく入ってるだろうが、未だに認めたくない。あんな変態に好かれてたまるかっての!


「そこんとこさ~わかんねぇんだよな~


言ったろ?俺のそうゆう勘は当たるって。あいつ、本気じゃない気がするって言うか…」


「まあフリはあるかもな」


なんて言ったってスネーク候補の男だ?人格を偽ってる可能性大だ。








「そーゆうのじゃなくて、たぶん好かれてるんだろうけど、本気じゃないって言うか……




あいつ、たぶん誰も信じてない気がする」







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