。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
誰も―――……?
「分かんねぇけどな。あくまで俺の印象だから。
ただ強烈な第一印象のまま見てたら間違えるって言うか…冷静になればなるほど、あいつが見えなくなってくるって言うか…」
「お前人のこと言えんのかよ。お前こそ強烈だ」
あたしが白い目で戒を見ると、
「強烈度合いで見るとお前の足元にも及ばねぇよ」
と戒が口を尖らせる。
「あたしが強烈だとぉ!じゃ叔父貴はどーなるんだよ!
あの人は存在自体が強烈だ!」
………
って、話が逸れてるし。
「まぁ勘は外れることが多いからな。現に俺は鴇田とキリさんの結婚話にビビったぐれぇだし。
大人は分かりづれぇよな」
戒は微苦笑して頬杖をついた。
大人は分かりづらい―――か……
確かに、
分かんないかも。
あたしたちの年齢だったら、好きだったら「好き」って言えるし、そうじゃなかったら勘定に入れないし。
駆け引きとか、立場とか―――
好きじゃなくても結婚
とか
あたしは陰険蛇田(鴇田)と叔父貴の秘書キリさんの顔を思い浮かべた。
まぁはたから見りゃお似合いっちゃお似合いだ。(認めたくないが鴇田はあー見えてイケメンだし。キリさんはエロい美人だし)
そう考えると、今この歳で好きな人が居て、
その好きな人があたしを好きでいてくれて
それって結構
幸せなことじゃない?