。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
「ホントは盛岡のその例の神社がある場所へ行くのが一番だけどな。
交通費だけでも結構掛かるし、第一俺は良くてもお前はマサさんや琢磨さんが許してくれないだろうな」
俺は良くても…って二人でっ!?
キャー!!ドキドキ旅行じゃん!!
って、無理だし。しかも初の旅行が神社て。
「別行動は危険だから響輔一人向かわせるのも反対だし。
情報をもっと仕入れて、確実にしなきゃどのみち無駄足になっちまうな」
あたしは同意する意味で頷いた。
「俺も一ノ瀬の母ちゃんに会って話聞きてぇな」
「それだったら……」
言いかけたときだった。
「ダブル龍崎!ほらっ!サボってないでお客さんよ!」
おネエ店長のお叱りを受けて、あたしたちは揃って腰を上げた。
さすがに店長の言葉は無視できねぇしな。
二人してにこにこ笑顔を浮かべて挨拶したが、
「「いらっしゃい……」」
同じタイミングで顔を強張らせて、その場で固まった。
「こんにちは。龍崎くん、あの……表の張り紙見たんだけど…
バイト募集ってまだやってる?」
もじもじと手を合わせてやってきたのは
マドンナ新垣 エリナだった。