。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
…でも。
「せっかく忙しい中に来たって言うのに、暇!相手してよ」
あたしが響輔に恨みっぽく言うと、響輔は呆れ顔。
「別に『来て』言うてへんやん。あんたが勝手に来たんやろ?」
「あたしは大事な情報届けてあげたのよ?感謝しなさいよ」
「それはありがたいことやけど、電話でもメールでも済むやん。返信はしないけど」
それはそうだけど。
でも電話だけじゃつまらない。メールだけじゃ物足りない。
あたしは目の前で響輔を見て、直接こいつのちょっと低くてくすぐるような甘い声を聞きたかったの。
「ってか返信しないってね…」言い掛けて欠伸が出そうになった。
こうしてここにこれて嬉しいけど、やっぱり睡魔には勝てない。
慌てて両手で口を塞いで
「…ふっ」小さく欠伸をする。
「眠そうやな。睡眠不足はお肌の大敵やで?
布団取り入れてくれるんならそれ使てええから、寝たら?」
響輔は窓の方を目配せ。布団が干してあるようだ。
「どうしたのよ、いつになく優しいじゃない♪」
「寝ててくれたほうが静かやからな」
「何ですって!」
ムときて、あたしはその場でごろりと横になった。
胡坐をかいた響輔の膝に頭を乗せる。響輔の膝枕だ。
「ちょぉ、何勝手に寝とるん?」響輔が迷惑そうに膝を動かそうとしたけれど、
ガシッ
あたしが響輔のおなかに手を回すと、響輔は諦めたように大人しくなった。
「そこで大人しい寝とって」
響輔はそれだけ言うとあたしの頭を膝に乗せたまま、再びテーブルに向かった。