。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。



こないだ響輔に拒まれたばかりだと言うのに、まだ懲りてないあたし。


今日はまた気分が変わって…ってことはこいつに限ってないだろうケド。


でもせっかくのチャンスをものにしないと。何せこの家では朔羅が同居してるわけだし。


あたしの方が明らかに分が悪い。


響輔はちょっと驚いたように目を開いて、


「…いや。…ってか…あのねぇ…ここ、下に組員の人たちおるよ?」


響輔が必死にいい訳を考えている。さっきまでムカツク意地悪ばっかり言ってたのに。


予想もつかないタイミングで押すと、とたんにあたふた。


「大丈夫よ」


あたしが起き上がって響輔の肩に手を置くと、


「何が大丈夫や。ってかしん言うたやん、こないだ」


響輔があたしから目を逸らそうとしたけど、あたしは響輔の顔を両手で挟んでこちらに向かせた。


あたしがメガネを強引に奪うと、響輔に顔を近づけた。


「その手には乗らへん」


響輔がぱっと顔を逸らしたけれど、それを見越してあたしは強引に響輔の肩を押した。


女の細腕だと思って舐められてばかりじゃないわよ。


動揺してる隙を狙えば、あっけなく響輔は後ろに倒れる。


ドタッ!派手な音がして


「痛っ!」


響輔が声を上げてあたしを睨む。


「何すんねん」そして二言目には


「俺、女に襲われる趣味あらへん」


ほらね。


やっぱり言った。







< 636 / 776 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop