。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
こないだ響輔に拒まれたばかりだと言うのに、まだ懲りてないあたし。
今日はまた気分が変わって…ってことはこいつに限ってないだろうケド。
でもせっかくのチャンスをものにしないと。何せこの家では朔羅が同居してるわけだし。
あたしの方が明らかに分が悪い。
響輔はちょっと驚いたように目を開いて、
「…いや。…ってか…あのねぇ…ここ、下に組員の人たちおるよ?」
響輔が必死にいい訳を考えている。さっきまでムカツク意地悪ばっかり言ってたのに。
予想もつかないタイミングで押すと、とたんにあたふた。
「大丈夫よ」
あたしが起き上がって響輔の肩に手を置くと、
「何が大丈夫や。ってかしん言うたやん、こないだ」
響輔があたしから目を逸らそうとしたけど、あたしは響輔の顔を両手で挟んでこちらに向かせた。
あたしがメガネを強引に奪うと、響輔に顔を近づけた。
「その手には乗らへん」
響輔がぱっと顔を逸らしたけれど、それを見越してあたしは強引に響輔の肩を押した。
女の細腕だと思って舐められてばかりじゃないわよ。
動揺してる隙を狙えば、あっけなく響輔は後ろに倒れる。
ドタッ!派手な音がして
「痛っ!」
響輔が声を上げてあたしを睨む。
「何すんねん」そして二言目には
「俺、女に襲われる趣味あらへん」
ほらね。
やっぱり言った。