。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
「そ?じゃぁ襲う?上になりたいなんらどうぞ?」
挑発的に笑うと、
「いや、それもなくて…」
響輔は動揺を隠し切れないのか目を泳がせてあたしから視線を逸らす。
「じゃ、つべこべ言わないでよ」
あたしが動揺したままの響輔のTシャツの裾から手を入れて響輔の腹筋を撫で上げた。
「ちょぉ!どこ触っとるん!」
「触られるのがイヤだったらあたしの触ってれば?」
「そうゆう問題やなくて…ちょぉ!ほんまに!!」
響輔が叫び声を上げたときだった。
スラッ
予告もなく襖が開いて、飲み物のグラスを乗せたトレーを手に、口の端でアイスのパッケージを器用に銜えた
「響ちゃ~ん♪女のお客さんやて?
川上やったら一緒にアイス食お思うて…」
虎間 戒が姿を現した。
「か、戒さん…」
響輔が助けを求めるような弱々しい声を上げて、
「「………!?」」
あたしと虎間はばっちり視線があったまま、しばし目が点。
……
うっそ!だって玄蛇は虎間 戒はしばらく帰ってこないって。
玄蛇…あ、あいつ!!騙したのね!!
「お取り込み中やとは知らんかった。見なかったことにするさかい堪忍」
虎間 戒は申し訳無さそうに頭を下げて襖を脚で閉めようとしたけど、
「大丈夫、朔羅には黙ってるさかいがんばれや~」
いしし、と意味深な笑みを浮かべて出て行こうとする虎間 戒。
「か、戒さん!助けてっ!!」
あたしの下になった響輔が叫んで、虎間 戒がぎょっとしたようにその脚の動きを止めた。