。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
カードをシャッフルして二人の手元に配りながら、俺は話題も切り出した。
「さっきのイチの情報、信用できると思うか?」
ちっ。
手が悪い。
カードはスペードの3と5、ダイヤの4、7、そしてハートのAだった。
タバコに火を灯すと、目の前で名の通りポーカーフェイスを浮かべた響輔もタバコに火を点ける。
少しの沈黙があって、
「五分五分ってところですね」
けだるそうに煙を吐きながら言った響輔の言葉に思わず
「え?」と問い返していた。
一瞬、ホントに何に対して言ってるのか分からなかった。
「一結の情報ですよ。他に何がある言うんですか?」
響輔が無表情に聞いて来る。
「あ、ああ。スネークが偽の情報を流してる可能性だってあるしな」
「今連絡を取るのは危険ですね。盗聴やハッキングの恐れ大です」
響輔は手持ちのカードを二枚捨てて、同じ数だけドロー(カードを引く)した。
「※コール」と続けて言って用意したチップ…ベガスに行ったときに持ち帰ったチップを放り投げる。
俺は五枚全部を捨てて
「コール」同じようにチップを放り投げた。
※コール:(先のプレーヤーと同等のチップを出してゲームを続行すること)
「ヤツはそこを狙ってるかもしれませんが、もっと他に意味があるのかも」
響輔は一枚のカードをドローして、
「※レイズ。チップ五枚」さらりと言って煙を吐いた。
※レイズ(先のプレイヤーよりも多いチップを出して、せり挙げること)
は…?もぉ??ってかこれは手??俺を挑発してる?
響輔の手の内が読めなくて俺は探るように目だけを上げたが
結局何も言わず手札を公開することになった。