。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。



俺の手札はハートのAが一枚、5のカードがツーペア(ダイヤ、スペード)、残りはJのクローバーだった。


一方響輔の手は


10のツーペア(ダイヤ、ハート)、2のツーペア(ダイヤ、クローバー)、5のハートと言う数字で


まさに『してやられた』


これで勝負に出たのかよ。


大胆さと冷静さのバランスが抜群だ。


全く表情に出ないし。


「戒さんは顔に出過ぎですね」


響輔はしたり顔でチップを回収していく。


くっそ、響輔め。さっきまでイチに襲われそうになってて必死だったてのに!


ぎりぎりと歯軋りをしながら、俺は回収されていくチップを睨んだ。


次のゲームがはじまり、


「スネークは恐らく俺たちが沈黙してることに焦りを感じているはず。


何も仕掛けてこないから不気味だと思うているんでしょう。


その上、一結の話が本当なら白虎会長と幹部たちが揃って姿を消した


おかしいと思ってる筈ですよね」


「だからイチを寄越した?反応を見るために?」


「そうかもしれないしそうじゃないかもしれない。コール」


「ヤツの動きもまったく見えんな。その話が本当なら親父たちはどこへ行っとんねん。コール」


「まぁしばらく様子を見ましょう。仕掛けるのはパーティーで、と言うた言葉は恐らく嘘やない。


それまで時間はあるし。


龍崎会長に探り入れるって手もありますけどね」


と言いかけて響輔はちょっと眉を潜めた。一瞬だけ戸惑ったのち


「コール」と呟いてチップを投げ出す。


響輔の表情を見て持ち札の手が悪かったのか、それとも琢磨さんのことを考えて気分が悪くなったのかどっちか分からなかった。


けど


逃げるのは性に合わん。





「そうやな。とりあえずは目下の目的、裏ポーカーまでたどり着くことやな。



レイズ」


俺はチップを投げ出し、響輔が今度ちょっと驚いたように目をぱちぱち。



結果







またも俺の負け!






くっそぅ、響輔め!







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