。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
「新垣さんのおうちはどんな感じですか?
本当にカタギ?龍崎組と繋がってる心配は?」と響輔に聞かれて俺は慌てて
「そりゃ調べた。間違いなくカタギやで。
父親は堅実な銀行マン。母親は区役所で働く公務員。どっちも龍崎組と繋がりもないし、龍崎グループとの取り引きもない。
兄貴が一人居るが、大学生で交友関係も龍崎組とは関わりがない。成績も優秀やし真面目。
典型的なお堅い一家だな。俺とは無縁だ」
「俺とも無縁です。だけど短い間によう調べられましたね」
「俺がしくったからな。尻拭いぐらい自分でせな、な」
「と言うことは、彼女の意図はやはり今回の盃の件とは違うところにあるってわけですよ。
家族の情報は分かりました。本人は?
何か怪しいところもないんですか?」
響輔が目だけを上げて俺を見て…って言うか睨んできて俺は思わず引き腰。
「前に一度告られて、お断りしてからそれきり。
でもな…」
俺は内緒話をするように口元に手を当て、響輔に顔を近づけると響輔は目を細めながも興味深そうに顔を近づけてきた。
「どうやら不倫してるらしい」
至極小声で囁くと、響輔が驚いたように目を開いた。
大声で言えるようなことでもないしな。自分のことじゃないとは言え、やっぱりこの手の話題は気を遣う。