。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
「不倫?相手は?」と響輔が目をぱちぱち。
「さぁ、そこまでは。川上情報だからどこまで本当か分からないけど。
あいつも思い込みが激しいほうだからな」
「女子高生で妻子持ちと恋愛ですか、末恐ろしいですね」と響輔は違う場所で感心…てか呆れてる??
「いや、ガキがいるかまでは分かんねぇけど、結婚してることは間違いねぇ」
「人のオトコを奪うことに何の躊躇もない女ですよ、やっぱり戒さんが好きなんですよ」
響輔が珍しく冷たい意見。
人のオトコを奪うって…俺、響輔の口からこんな言葉はじめて聞いた。
「俺は人のオンナを奪おうとしてますからね。ちょっと気持ちが分かったり」
響輔は相変わらずの無表情でさらりと言うと、やけにゆっくりとした仕草でタバコの煙を吐きだす。
「てか響輔!てめぇまだ朔羅を諦めてないんかよ!てかはっきり『奪う』宣言してんじゃねぇ」
宣言されてなくてもすでに俺の愛人クミを奪われちまったし。
現地妻のみぃの気持ちもさらってったし。
本妻まで奪われてたまるか!と、い゛ーと歯を剥き出してるときだった。
「キョスウケっ!戒も居るんだろ!
飯だって言ったのに聞こえなかったんか!!」
バンっ
いきなり襖が開いて俺たちはびっくりして同時に顔を上げた。
ピンクのシンプルなエプロン姿の朔羅が姿を現し、顔を寄せ合って内緒話をしていた俺達を見ると、
「……!!?」
朔羅は口元を覆ってズサッと後ずさり。
「……戒、おめぇあたしと言う女がありながら、家で堂々と浮気とか…
しかも(やっぱり)相手オトコ…」
と、こっちは本気で顔を青くさせている朔羅。どうやら誤解されているようだ。
奪われる心配よりも浮気の誤解を解くのが先だな。