。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
金魚―――……
『これ浅田組の奴らからお前にって、お前が守った金魚たちだ』
『良かったな、お前ら~♪これは戒へのお土産にしよ♪』
そー言えば!!!
あの騒動ですっかり忘れてたけど(←普通にヒドイ)
あの金魚たちどこへ行ったんだ!?青龍会本部に居るときは確かにあたしの手元にあった。
その後の記憶が―――ない!!
あのごたごたですっかり忘れ去られていた。
あぁ可哀想な金魚たち……今頃どこかで干からびてるかも…
ごめんな。
そんな思いで思わず俯くと、
「えっと…!花火きれいだったね!!あたしは響輔さんがすぐ隣だったからそれどころじゃなかったケド」
と、またもリコが慌てて話題を変える。
リコ……気を遣ってくれてるんだな……
ありがと
最初のうちリコは
「響輔さんてやっぱり優しいね♪」と楽しそうにしていたが、
「でもさ……ふっと思うの。響輔さんが優しいのは、あたしが朔羅の友達だからかな…って」
リコも俯いてスカートの裾をぎゅっと握った。
「…いや、そんなこと無いと思う!あいつは…」
言いかけて、あたしは言葉を飲み込んだ。
あたしはリコを元気付けてあげれる程あいつの気持ちなんて知らないし、
しかもまだあたしのこと諦めてないっぽい気がする……
どこまで本気か分からんないけど。
どうして恋愛ってうまくいかないんだろう。
誰もが幸せになることって
無理な話なのかな。