。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
相談!?
◆ 相談!? ◆
その後は大人しく家に帰った。
いつまでも帰らないわけにはいかないし…
結局行く場所なんて他にどこにもないし。
「ただいまー…」
台所を覗くと、マサとキョウスケが夕飯の支度をしている最中だった。
「おかえりなせぇ、お嬢!お勤めごくろうさまでやす」
ピンクのふりふりエプロン姿のマサが菜ばしを振り回す。
「お帰りなさい」とキョウスケは相変わらず控えめな挨拶で、鍋の中を覗き込んでいた。
「だからお勤めとか言うんじゃねぇ!あたしゃムショ帰りじゃねぇっつの。
てか、随分遅い夕食だな」
「へえ。まぁ人数足りないんで、キョウスケは全然役に立たねぇし」
キョウスケはマサの言葉にも気を悪くした様子もなく、小さめの皿の中で何かを混ぜ始めた。
「マサ、茶の間の準備してきな。お前と交代だ」
あたしがマサを追い出してキョウスケと二人きりになっても、キョウスケはマイペースにもくもくと皿の中の何かを混ぜている。
…無言かよ。
今日の新垣 エリナの印象とかちょっと聞きたかったけれど、なんて切り出そう…
それに―――……
戒が浮気したかも……って相談するつもりはないけど、
ちょっとあいつが何を考えてるのか聞きたくて…
っつってもキョウスケだって全部分かるわけないだろうけど。
さりげなく…昔はどうだったか、とか聞き出せたら…
ちょっとキョウスケの動向を気にして見ていたが、キョウスケはひたすらに皿の中の何かを混ぜるのに夢中。
中に入ってるのは…マヨネーズ??
トン
やがてキョウスケは皿の中のマヨを混ぜるのに満足したのか、
「ふぅ。会心のできだ」と満足そうに目を細める。
「良かったな」
「あ、しまった。調味料入れるの忘れてた」
キョウスケの独り言に
「おめぇ、今まで何混ぜてたんだよ!」
戒のこと聞きたかったのに、キョウスケの突っ込みどころ満載な行動にそれどころじゃない。