。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
あたしはリコを真正面から見据えて、彼女から決して目を逸らさないようひたすらまっすぐ見つめた。
「相手は戒じゃない。
叔父貴でもない。
叔父貴の―――弟」
あたしの言葉にリコが目をまばたく。
「えっと…それって朔羅にはもう一人叔父さんが居るってこと?」
ワケが分からないと言った様にリコが頭に手をやる。
リコもあたしに叔父貴がもう一人居たって言う事実を確認したかったわけじゃないだろう。
だけどリコの頭で一つ一つの事実をゆっくり消化しないと、ワケが分からなくなる。
と言ったところだろうか。
「正確には居た―――って言うのかな。とにかく今は居ない。二年前の春―――姿を消した」
あたしはもう一人の叔父貴
―――雪斗のことをリコに話し出した。
この話を自分からするのは戒以外、リコがはじめてだ。
戒は受け入れてくれたし、あたしの悲しみを自分のように思ってくれたし雪斗に怒りを覚えてもくれた。
でもリコはどうなんだろう。
気持ちの良い話でもないし、衝撃も受けるだろう。
しかも同じ女同士だし―――
それでも話さずには
居られなかった。