。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。

またまた胃炎!?



◆ またまた胃炎!? ◆


明け方、陽が昇ろうとしていて窓の外がほの明るい光を滲ませた頃、


あたしはふと目が覚めた。


5時半―――中途半端な時間に目が覚めちまったぜ。


もう一寝入りするか…と思ったが、喉の乾きにあたしはベッドを降り立った。


水でも飲んでから。


と思いながら部屋を出て廊下を歩いていると、これまたふっと気になって戒の部屋の前で足を止めた。


戒は―――…今頃爆睡中だろうな…


そろ~…と襖を開けて中を覗き込むと、


部屋の中央に敷かれた布団の上で戒と、


えっ!キョウスケ!!?


二人が仲良く寄り添って眠っていた。


キョウスケは仰向けになって目を閉じていて、戒はそのキョウスケの肩先に頭を預けるように寄り添っている。


キョウスケの手は戒の肩に置かれていて、見ようによっちゃ抱きしめているようにも見える。


な、なん…!!!


眠気なんて吹っ飛んで、思わず言葉を飲み込むと、


あたしの気配に気付いたのかキョウスケがのろりと起き出してきた。


「しー…」と言った感じで唇に指を立てて、起き上がると、


部屋の外まで出てきた。


「な、仲直りの添い寝??」


思わず目を吊り上げてキョウスケに聞くと、キョウスケが大きな欠伸をして僅かに寝癖がついた髪を掻いた。


意味深な…寝不足顔にあたしが思い切り不審そうにキョウスケを見上げる。


「ようやく寝付いたところなんです…。戒さん、さっきまで胃痛で苦しんでたので」


「い、胃痛!?また胃炎??あいつ、大丈夫なの!」


「たぶん…大丈夫じゃないです。今日バイト休ませて俺、御園医院に連れていきます。


ユズさんは救急車呼んだ方がいいんじゃないかって心配してましたけど、戒さんは我慢するって。


お嬢に心配掛けたくないって」


キョウスケが淡々と答えて、それでも戒を心配するように襖を目配せ。


救急車って大ごとじゃねぇか!!








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