。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。



もう一寝入りするつもりが、結局目が覚めちゃって寝れず。


てか戒


大丈夫かな…


キョウスケは過剰に心配するなって言ったけど、



―――やっぱり心配だ。




―――





「今のところ落ち着いてはいますが、戒さんが起きたら今日御園医院に行って来ます。


お嬢はバイト行ってください。普段通りに」


バイトなんてしてる場合じゃないけど、そう言われたらあとはキョウスケに任せるしかない。


あたしに出来ることなんて他にないし。


そう思ってバイト先に向かう。


バイト先のカフェのロッカールームではすでに新垣 エリナが着替えを済ませていて


「龍崎くん風邪でお休みだって。


さっきお兄さんて人から電話あったよ」


と残念そうにしょんぼりとあたしに報告してくる。


お兄さん…てのはキョウスケのことだな。


てか相変わらず可愛いな、新垣 エリナ。


今日は昨日と違って淡いピンク色のグロス。ちょっとパールがかってる。


昨日のもきれいだったけど、こっちの方が似合ってる気がする。


ピンヒールもやめて低めのローファー。


「か、可愛いね。そのグロス。


似合うね」


普段あたしから喋りかけることないけど、無言で着替えってのも間が持たなくてあたしはぎこちなく話しかけた。


「ホント?こないだ買ったグロスなの!」


新垣 エリナが思いのほか嬉しそうに食いついてきてあたしの方がびっくり。


「へ、へぇ。どこで買うの?そうゆうの」


「ドラッグストアだよ。一本400円ぐらいの。


こないだあのお兄さんに似合わない指摘されて、確かに背伸びしてたなーとか考えて」


えへへ、と新垣 エリナが舌をちょっと出して苦笑い。


あたし新垣 エリナとあんまりお喋りしたことがなかったから今まで分からなかったけど




思ったより素直で感じが良いな、




そう感じた。







< 726 / 776 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop