。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。

錯覚!?




◆ 錯覚!? ◆



リコのお陰で胸につっかえていたモヤモヤがだいぶ晴れた。


ちゃんと叔父貴にお断りを。


ちゃんと戒にこのことを打ち明けなきゃ。


そう決意して、あたしたちは笑い合った。


一人で悩んでいても何も解決しなかったんだ。リコに相談して―――よかった。


その後のあたしたちは普段通りの賑やかな会話をして、くだらないことで盛り上がった。


リコは気が落ち着いてきたのか、改めてあたしの部屋を眺め、


「ねね、龍崎くんてこのお部屋に来たことある??」


と興味深そうに聞いてきた。


「戒?そいやぁないなぁ。あいつの部屋にはしょっちゅう行ってるけど」


「しょっちゅう!?朔羅ってば大胆~」


「いや!!あたしからあいつの部屋にいったことはあんまりねぇよ。用があるときだけだ」


それ以外はいっつも戒に連れ込まれるわけだ。


だからと言って特に何をすると言うわけでもないけど、戒は二人きりになるとあたしにべったり。


「あいつって寂しがり屋なんだよな~、ま、末っ子の三男坊だし?甘えん坊だよな。そこが可愛いんだけど♪」


その点叔父貴は長男だし、しっかりしてると言うか……


考えてあたしは慌てて頭を振った。


いかん、いかん!今余分なことは考えないようにしよう!


「あたしも二人姉妹の下だから、結構お姉ちゃんには甘える方かも~」


「姉妹っていいよな♪一緒に買い物できたり服貸しあいっこしたり♪恋バナもできるじゃん」


「たまに服は借りるけど~、恋バナはしないよ~。ってか相談できない。あたしの好きな人が実はヤクザの人だとか。親友の女の子が好きだとか」


リコが明るい笑顔を浮かべて、後ろに手をついた。


その拍子に…リコの指先がチェストに触れたのだろうか、白いチェストの上からアルバムが一冊転がり落ちた。






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