。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
リコが何を言いたいのかは分かる。
「まぁ普通にイケメンだよなぁ。何であたし?って感じだけど。かなりモテそうだ」
「イケメンって言うか、かなりの美青年……?その言葉がぴったりくる…」
リコが目をまばたいてぽつりと漏らし、慌てて口に手をやる。
ひどくいけない発言をしたかのように、バツが悪そうに表情を曇らせた。
「気にするなよ。終わったことだし。まぁ叔父貴と似てないよな。兄弟なのに。
そう言えば性格も似てなかった。叔父貴はどっちかって言うと、短気で怒ると怖い人だけど、
雪斗はどっちかって言うと柔和な性格だった。大したことで怒らなかったな。
っても、やっぱ根が極道だから喧嘩は強かったけど」
あたしがあまりに気にしてないようにさらりと言うと、リコは安心したように頬を緩ませた。
「まぁ兄弟っても性格は違うだろうし。
でも―――本当に似てない。
この人、本当に叔父さまと血が繋がってるの―――?」
へ―――……?
「なんかぁ、叔父さまと言うより、朔羅のお母さんに似てる気がする。
朔羅のママって朔羅にそっくり!きれい~~♪」
リコはすぐ隣にあるあたしの母さんの写真と見比べて、さらりと言った。もう雪斗のことを視界から追い払うように、今は母さんの写真に夢中だ。
でもあたしは―――
……全然気付かなかった。
あたしは叔父貴と雪斗が兄弟なのに何の疑いもなかったし、客観的に見たことがないから、
リコの言葉に
あたしの中で小さな疑問を生むことになった。