。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
叔父貴と母さんの間には血が繋がっていない。二人とも親の再婚で連れ子だったって言ってたし、
男女の違いもあるけど、それを裏付ける意味で二人に類似する部分は皆無だ。
だけど雪斗は―――…?
叔父貴は「雪斗が弟」だと言ったから、今まで雪斗は母さんと血が繋がってないと考えていたけど、
そう言えば、そこのところはっきりと知らない。
雪斗は叔父貴の弟ではなく、
もしかして母さんの―――
実の弟?
―――そうなれば叔父貴と血が繋がっていないことになる。
―――そうなれば、あたしにとっては実の叔父さんってことになる。
どうして今まで気付かなかったんだろう。
あたしはアルバムを握り締めると、勢い良く立ち上がった。
「朔羅?ごめん!あたし変なこと言った!?」
リコが慌てたように立ち上がり、不安そうにあたしを見てきた。
「ううん……変なことじゃない……でも、確かめなきゃ!」
今更雪斗が誰と血が繋がっていようと関係ない。
でも叔父貴と血が繋がっていなければ―――
あたしは、普段通り叔父貴に接することができる。
あの身を凍らすような恐怖心を、叔父貴に感じなくて済む―――