。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
その薬莢を白へびは空中でキャッチすると
「だったら?」と低く聞いた。
スネークはちょっと肩をすくめて笑うと、
「君の目的が分からない。龍崎 朔羅を―――…いや、黄龍を私の手から守る意味がね」
スネークが茶化すように言って笑って、また次の一手を指すと白いポーンのコマを持った白へびはうっすらと笑った。
「勘違いしないでほしいな。私は黄龍に肩入れをしているつもりはないよ」
「でも私の味方でもないのは確かだね。厄介だなぁ、君を敵に回すのは。
ネズミより数倍―――厄介だ」
スネークはその言葉とは反対に楽しむように笑った。
「もともと我々は仲良くつるむような関係ではなかっただろう?
今まで君の前に立ちふさがらなかったわけ、沈黙していた理由は簡単だ。
その必要がなかった」
「でも必要が出てきた?私をこうして呼び出したのは、忠告するため?」
スネークの問いかけに白へびの眉がぴくりと反応した。薄い唇を結ぶと、
白へびはルークの駒を動かした。
「これが最終通告だ、スネーク。黄龍から手を引け
君だって命は惜しいだろ?
チェック」
白へびの指した一手はスネークの黒い駒を追い詰めるべき“王手”を指し示していた。