。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
「確かめるってどうやって!?」
廊下を大またで歩くあたしの後ろを、リコが慌てた様子で追いかけてくる。
「どうって……とりあえずマサにでも聞いてみようかと…」
マサならあたしが産まれる前からこの家に居たし、叔父貴の信頼も厚い。
あいつなら何か知ってるかも。
そう思って台所に向かった。
台所ではマサと―――戒が夕食の準備に励んでいるはず。
「また君にぃ~恋してるぅ~♪」
台所から、戒の美声が聞こえてきて、あたしたちは思わず顔を合わせた。
ってか何故に坂本 冬美??
しかも相変わらず歌うまっ!
あいつの音域は人間離れしてんな。その気になりゃウィーン少年合唱団にも入れそうだぜ。
って、今はそんなことどーでもいい!
「メガネ、お前歌うまいな!」
マサが戒に話しかけ、何かを焼いている香ばしい香りが漂ってきた。
「マサさん、リクエストしてくれれば、僕マサさんの為に何でも歌いますよ♪」
「俺の為……?」
マサが若干引き腰になって探るように問いかける声を聞いたときだった。
ピンポーン
家のインターホンが鳴った。
あたしとリコは再び顔を合わせ、
「へい!」
とマサが逃げ出すように、慌てて台所から顔を出した。