。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。


「戒くんと?響輔くん」


彩芽さんは確認するように二人を見ると、


「はい~♪はじめまして☆」


と戒が天使スマイルで、にこにこ答える。


ちっ。美人相手に機嫌が良いと見える。


一方、キョウスケは


「………はじめまして」


いつもよりテンションが低めで、いつもにも増して無愛想に小さく頷いた。


機嫌が悪そうとかじゃなく、疲れていそう。


珍しいことだった。


お前大丈夫か?ぐったりしてんぞ??また風邪でもひいたんか??


と気になったが、逆に今リコの隣にキョウスケを座らせなくて良かった。と改めて思う。


だけど対照的なそんな二人を見て彩芽さんはにっこり。


「一度お会いしたかったのよ。衛さんが楽しそうに話し聞かせてくれたから」


ドクター…何話してんだよ。


「あいつが“衛さん?”ウケる!」と戒が小さく笑い声を漏らし、あたしが戒をちょっと睨むと、わざとらしく咳払いをして視線を泳がせてた。


「そうそう、朔羅ちゃん、金魚たちをあなたに持ってきたの」


そう言って彩芽さんは淡いピンク色をした風呂敷包みをちゃぶ台の上に置いた。


風呂敷包みを解くと、変わったデザインの硝子製の小さな水槽が現れた。


水槽って言うと大げさかもしれない。重さもそれほどでなさそうだし硝子の箱って言った方が正しいのか。


その中であたしが貰った金魚たちが、花火大会の日と変わらず鮮やかな赤い尾を優雅に躍らせて、水槽の中を泳いでいた。











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