。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
朔羅は俺に幻滅したかな。
俺に嫌気がさしたかな。
嫌われたくない―――な。
朔羅が川上の手をとって部屋に向かう後ろ姿を俺は珍しく気落ちしながら、ぼんやり見つめる。
でも
―――俺は諦めるつもりはない。
朔羅は俺の婚約者だ。
青龍と白虎の協定がある限り、その事実はよほどのことが無い限り覆されることはないだろう。
だけどその立場に胡坐を掻いて余裕ぶっこいてるつもりはない。
油断したら、
あいつは俺の手をすり抜けて、そしてすぐに誰かがあいつの気持ちごとかっさらてく。
龍崎 琢磨
響輔
二人に負けるわけに行かねんだ。
でも、とりあえず目下の問題は―――
あの彩芽と言う女だ―――
俺は
「響輔、ちょっと出かけてくる」
小声で響輔に言うと
走り出した。