とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
唖然とする右京に忍は「駄目なの?」と首を傾げる。
「だ、駄目に決まってんだろ!?どんだけじゃじゃ馬なんだよ…」
「…どうしても駄目?」
上目遣いで可愛らしく迫られてもこればかりは譲れない。
「だ~め!絶対駄目!」
つまらなそうな表情をして忍は「…ケチ」と呟いた。
…ケチで結構!なんとでも言え!
断固として折れない右京に忍はやっと諦めて肩を落とした。
「…頼むから潤と一緒に大人しくしててくれ…ビリー見たいんだろ?」
「…判った。でも知恵貸すくらいならいいでしょ!?…あ、ちなみにビリーじゃなくてテリーね?」
「ビリーでもテリーでも構わないよ…」
はぁ…と安堵の息を吐く右京に忍は再び身を乗り出す。