とある堕天使のモノガタリⅤ ~TRINITAS~




猫は薄弱な動物らしい。



そういった意味ではルークは猫らしくない猫だった。



右京が仕事で居ない日中、ルークと過ごすのが最近の忍の日常である。



ルークは忍の後を常に尾行するようについて来る。



…ご飯あげる人が判るのね。



忍は美味しそうに缶詰を食べるルークを撫でながら思う。



別に右京になついていない訳ではないが、二人が家に居てもルークは忍の傍を離れようとしなかった。



それは昼間だけに限らず、夜寝るときも…。



たまに甘い雰囲気になる二人の間へ当たり前の様に割って入るルークに、右京があからさまに不機嫌な顔をしていたのを思い出す。



何度かそんな事があって以来、右京は寝室の外にルークを出すようにしていた。



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