とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
だが、追い出したはずのルークは、何故か朝起きると忍と右京の間で丸くなっているのだ。
だから右京がルークを抱き抱えて起きてくるのは毎朝の日課になりつつある。
「…もしかしたら、コイツはクソ親父の差し金かもしれない…」
「何言ってんだか…」
「本当の事を言え!」と右京に撫で回され、ルークは迷惑そうに尻尾を振る。
その日も例外ではなく、見慣れてきた光景に忍は朝食を並べながら「仲良しね~」と微笑んだ。
「ルーク…忍がヤキモチ妬いてるぞ?」
右京は背後から忍の首筋に絡み付き「ごめんね」と言いながらキスを落とす。
朝からいちゃつく二人の足元でルークが不満げにニャーと鳴いた。