とある堕天使のモノガタリⅤ ～TRINITAS～
◇



午前中の健診のあと、クレアとのランチ終え帰宅したのは夕方だった。



忍が玄関を開けると同時にするりと身を滑り込ませて来たルーク。



最近はベランダ伝いにフラリと居なくなる事があった。



暫くすると帰って来るので、散歩に行っているのかもしれない。



忍の帰りを待っていたように小走りで近寄って来る姿は可愛らしく、思わず抱き上げて頬を寄せた。



「寂しかったの？何処に行ってたの？」



忍の言葉にまるで答えるようにニャーと鳴くルークに「そうなの～」なんて返す。



もちろん、何を言ってるかなんて理解出来ていないが…。



ルークは彼女の腕をピョンと飛び降りると、一目散に寝室へと走って行った。



ゆっくりとその後を追ってルークの様子を伺う。



当たり前の様にベットに寝そべっている姿に笑いながら自分も身体を投げ出した。



…少し疲れたかも…。



「ちょっとだけ…一緒にお昼寝しようか…」



そう言って忍は瞼を閉じた。


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