とある堕天使のモノガタリⅤ ~TRINITAS~




アスタロトが関わって居ると判ったのは現地に着いてからだった。



以前にも一度右京に接触した事があり、ハニエルはいつかまた来るだろうとは思っていた。



…遂に上級悪魔が出て来たか。



それは彼等が本格的に動き出した事を表していた。



『…どうする?』



『ど、どうするって…自分達に敵う相手ではない…』



『そうだよな…と、とりあえず、神に報告をして…』


悠長な事を言っている同胞にハニエルは舌打ちをする。



…そんな時間なんてないだろ!



クルリと彼等に向き直りハニエルは鋭い瞳で睨んだ。



『その間にアスタロトがベルセルクの子供を手に入れたらどうするつもりだ?』



『し、しかし…!』



オロオロとする天使達にハニエルはため息をつくと諦めたように『わかった』と呟いた。




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