とある堕天使のモノガタリⅤ ~TRINITAS~



こういった任務中でなければ良いのだが、些かハニエルはやりづらさを感じた。



『…邪気が二つ…。アスタロトともう一つは…』



『恐らくマルバスです。彼は監視役ですから。』



『…となると、簡単には彼に近付けないね…』



実際のところ、マルバスであるアダムは、右京を監視しているのではないかもしれない。



本当の目的は右京の信頼を得て、悪魔として仲間に率いれる事にあるのではないだろうか?



あわよくばベルセルクの子供も手に入る。



たとえ右京が仲間にならなくとも、赤ん坊を手に入れてしまえば良いのだ。



そうなれば、この第二次ティタノマキアなど比ではない位の名がアズラエルの帳簿から消えるだろう。



それだけは絶対に阻止しなければならない。



神の命令云々でなく、ハニエル自身もそう考えていた。



< 147 / 469 >

この作品をシェア

pagetop