とある堕天使のモノガタリⅤ ~TRINITAS~



ベルセルクの子供にどれほどの力があるのか知らないが、悪魔にだけは渡してはならない。



かといって神々の道具にするつもりもない。



…あの子は右京の子供…ベルセルクなんて関係ない。



ハニエルがそう思っていても周りは天界の奴等はそう思わないだろう…目の前のアズラエルも…。



薄ら笑いを浮かべている横顔を盗み見ていると、突然彼はこちらを振り返った。



『…わかるかい?』



『へっ!?…なにが…です?』



思わず声が上ずるハニエルに苦笑をしながらアズラエルは言葉を続ける。



『妙な空気の流れを感じないか?』



ウリエル達が滞在しているホテルを見下ろし、彼は楽しそうに笑みを浮かべた。


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