とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
◇
年末が近付いて来ると一気に仕事量が増え、連日残業をする破目になった。
忍には「私は大丈夫だから気にしないで」と言われたが、気になって仕事も上の空である。
慌ただしく従業員がフロアを行き交う中、右京は椅子を軋ませてだらしなく天井を仰ぐ。
『…サキ…Mr.クロサキ!』
『ん…呼んだ?』
『はい、何度も呼びました。2番に日本支社からお電話です。』
『あいよ』と銀髪を掻きながら座り直すと受話器を取った。
「右京か?」
「なんだ、クソ親父か…」
「クソとは何だ、クソとはぁ!お父様と呼べ!」
「………」
叔父で義理の父である彼の言葉に右京は無言で受話器を置いた。
直ぐにまた鳴り出した電話を取って耳に当てた。
「お前、何で切るんだ!?まだ何も話してないじゃないか!」
「うるせぇな…用件はなんだよ…」
面倒臭そうに言う右京に義父は咳払いをして口を開いた。
年末が近付いて来ると一気に仕事量が増え、連日残業をする破目になった。
忍には「私は大丈夫だから気にしないで」と言われたが、気になって仕事も上の空である。
慌ただしく従業員がフロアを行き交う中、右京は椅子を軋ませてだらしなく天井を仰ぐ。
『…サキ…Mr.クロサキ!』
『ん…呼んだ?』
『はい、何度も呼びました。2番に日本支社からお電話です。』
『あいよ』と銀髪を掻きながら座り直すと受話器を取った。
「右京か?」
「なんだ、クソ親父か…」
「クソとは何だ、クソとはぁ!お父様と呼べ!」
「………」
叔父で義理の父である彼の言葉に右京は無言で受話器を置いた。
直ぐにまた鳴り出した電話を取って耳に当てた。
「お前、何で切るんだ!?まだ何も話してないじゃないか!」
「うるせぇな…用件はなんだよ…」
面倒臭そうに言う右京に義父は咳払いをして口を開いた。