とある堕天使のモノガタリⅤ ~TRINITAS~



一方右京は出荷作業を手伝いながらベテラン社員のジムに義父への愚痴を溢す。



ジムはゲラゲラと笑いながら聞いてくれた。



『初めての孫だろ?そりゃ楽しみで仕方ないんだろうよ!』



『だからって職権乱用だろ…』



チェックシートにペンを走らせながら右京は呟き、ペラペラと紙を捲る。



午前中の業務は積み込み作業を残すだけとなった。



順調に行けば今日は残業しないで帰れるかもしれない。



手にしたボードで肩を叩くと倉庫内をぐるりと見渡す。



『ん?…これはなんだ?』



無造作に置かれた段ボール箱に右京は眉を寄せた。



『おい、ウィル!』



トラックの荷台から『は~い』と顔を上げたウィルを手招きする。


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