とある堕天使のモノガタリⅤ ~TRINITAS~



『ちょっと別件でお願いしたい事があるんだけど…』



『はぁ…』



彼女のお願いとはクイーンバリーが稽古場として使っている建物にある荷物の移動だった。



その建物はかなり古く、先代の持ち主はすでに他界しているため家財道具が邪魔なのだと言う。



『アンティークショップにでも売り払いたいんだけど、一つだけどうしても動かせないくらい重い箱があるのよ…』



『なるほど…』



…アンティークか…。ならアイツに手伝わせるか…。



時間のある時でいいと言われ、右京は彼女から名刺を受け取った。



『わかりました、ミス…“イザベラ·ゴードン”』



『イザベラでいいわよ。連絡待ってるわ。』



そして右京は劇場を出ると直ぐにクリスに電話を掛けるのだった。




< 170 / 469 >

この作品をシェア

pagetop