とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
ダンがロイを見て首を捻る。
『気にすんな!ただ暇で腐ってるだけだ!』
そう言うロイにダンは納得したように『あ~なるほど』と笑った。
『暇なら一つ仕事を引き受けてくれるかい?』
『なんの?』
『クリスの。さっき店の前でバッタリ会ってね。一人貸して欲しいって言ってたんだ。』
ニックは勢い良く立ち上がると『やる!』と即答した。
だが、ややあってから『まてよ…?』と呟いた。
『危ない仕事じゃないよな?』
『さぁ…鑑定士がどうとか言ってたけど…。嫌なら留置所にでも─』
『や、やります!』
以前好奇心で『警察署内が見たい』と言ったら手錠を掛けられて署内を引きづり回された事がある。
…コイツは本気でやりかねない!
それを悟ったニックは慌てて出て行くのだった。