とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
◇
その日は雨だった。
少し肌寒い空気の中、車を降りると小走りで入口に向かう。
『うへぇ…久しぶりだな、こんな雨は…』
肩に付いた水滴を払い落としながら呟くニックにクリスは『おい』と声を掛けた。
『判ってんだろうな?』
『大丈夫だって!鑑定士のフリをすればいいんだろ?』
楽勝楽勝~と笑う彼にクリスのみならず、右京も不安になって来た。
一体その自信は何処から湧いてくるのか…。
…まぁ、大人しくただの鑑定士を演じてくれたら問題ないだろ。
右京はジャケットの襟を整えると稽古場のインターホンを押した。
扉から顔を現したのは若い青年だった。
恐らく団員の一人だろう。
右京達をジロジロと睨み、『…なんか用?』と訝しげに口を開く。
その日は雨だった。
少し肌寒い空気の中、車を降りると小走りで入口に向かう。
『うへぇ…久しぶりだな、こんな雨は…』
肩に付いた水滴を払い落としながら呟くニックにクリスは『おい』と声を掛けた。
『判ってんだろうな?』
『大丈夫だって!鑑定士のフリをすればいいんだろ?』
楽勝楽勝~と笑う彼にクリスのみならず、右京も不安になって来た。
一体その自信は何処から湧いてくるのか…。
…まぁ、大人しくただの鑑定士を演じてくれたら問題ないだろ。
右京はジャケットの襟を整えると稽古場のインターホンを押した。
扉から顔を現したのは若い青年だった。
恐らく団員の一人だろう。
右京達をジロジロと睨み、『…なんか用?』と訝しげに口を開く。