とある堕天使のモノガタリⅤ ~TRINITAS~



イザベラは酷く混乱していて、何が真実で何が嘘なのかが理解出来なかった。



…ロバートの口から本当の事が聞きたい…



だがその時彼はどんな行動に出るのだろう。



『君とは遊びだった。』と別れを切り出される可能性も低くない。



イザベラは考えに考え抜いた結果、彼が結婚をしている事を知らなかったフリをする事に決めた。



…大丈夫…隠していれば彼に捨てられる事はないはず。



そう言い聞かせ、彼女は彼との密会を重ねていた。



不安を胸にひた隠し、彼とのデートで精一杯楽しんで見せた。



ロバートはと言えば、日に日にやつれて来ている。



最初のうちは『仕事が忙しくて』と言って笑っていたが、最近では彼の笑顔さえ見ることがなかった。




< 200 / 469 >

この作品をシェア

pagetop