とある堕天使のモノガタリⅤ ~TRINITAS~



『ねぇロバート…最近無理しすぎなんじゃない?』



イザベラは見かねて彼にそう言葉を掛けた。



だが直ぐにそれが大失態であったことに気付く。



『イザベラ…実は君に隠していた事があるんだ…』



心臓が止まるかと思った。



…嫌っ…!言わないで!



彼女のそんな思いも虚しく、ロバートは呆気なく告白した…『自分には妻が居る』と…。



『でも信じて欲しい…!君を愛しているのは嘘じゃない!』



自分が泣いているのだと気付いたのは彼がそれを指で拭った時だった。



…“信じて欲しい”ですって…?



『ロバート…一体何をどう信じろって言うの!?』



『本当だっ!妻とは別れるつもりだったんだ…!』



困惑気味なイザベラに彼は早口で説明した。



離婚に向けて動き出した矢先、妻が倒れて入院してしまった…と。



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