とある堕天使のモノガタリⅤ ~TRINITAS~


『愛しているのは君なんだ。…だけど、残り少ない時間、妻を支えてやりたいんだ…正直こっちも精神的にキツいんだけど…』



自嘲するような笑みを浮かべ、肩を落とすロバートにイザベラは胸が苦しくなった。



『…貴方は私が支えるわ、ロバート。“その時”まで許してあげる。』



『イザベラ…!ありがとう…!愛してるよ!』



『私もよ、ロバート…』



…だから、奥さんが死ぬまでは貴方を許してあげる。



それから数週間後…ロバートの妻は静かに息を引き取った…。



これで全て上手く行くはずだった。



ロバートも日に日に回復して、翌週にはすっかり顔色も良くなった。



だが時折寂しげな表情をする事があり、イザベラはそれを見るのが嫌いだった。



< 203 / 469 >

この作品をシェア

pagetop