とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
イザベラは以前からやりたかった舞台女優の夢をロバートに話すと、彼は優しく微笑んだ。
『何でもやってみたらいい。イザベラ…君には可能性があるんだから。』
彼女は喜んで演技にのめり込む。
小さな劇団に入って一から学び直した。
そんなある日、ロバートがイザベラに『話がある』と言い出した。
…もしかして…結婚式の事かしら!?
まだ結婚をしていなかったが、彼と暮らし始めて一年になる。
そろそろその話題が出る頃だ。
彼女は期待を胸に彼の隣に座るとニッコリと微笑んだ。
反対にロバートは難しい顔をしているのに気付いて、『どうしたの?』と首を傾げた。
『イザベラ…僕は…長く生きられないらしい。』
『…何を言っているの?』
彼の言っている事が理解出来ず、彼女はそう聞き返した。