とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
それに対してロバートが明かした彼の病は筋萎縮性側索硬化症…通称“ALS”と呼ばれる聞き慣れないものであった。
『少し前から手足に力が入らない事があってね…先週病院に行ったんだ。』
『嘘…やめてよ、そんな冗談!…笑えないわっ!』
『イザベラ…冗談なんて言ってないよ。』
『嫌よっ!信じない…絶対に信じないんだからっ!』
『ごめんよ…もっと君と居たかった…』
泣きじゃくるイザベラをロバートは優しく抱き締めた。
…私は幸せにはなれないの…!?
やっと結婚が出来ると思った矢先、突然の不治の病だと告白されイザベラは自分の不幸を呪った。
『神様っ!私はどうしたら…』
彼女は教会で祈る。
それは彼の回復ではなく、自分の幸せだった。