とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
イザベラはその日の夜、ロバートを廃校したあの場所に連れ出した。
『貴方に見せたいものがあるの。』
ロバートは酷く疲れた様子だったが、弱々しく微笑んだ。
車椅子に乗せた彼を連れ出し、マジックを披露する。
彼はそれを楽しんでいた。
これから起こるという悲劇的な結末を知らずに。
『最後はイリュージョンをお見せしましょう!』
『ほぅ…楽しみだ。』
『さぁ、ロバート!こっちよ。』
彼女は車椅子を押して部屋の真ん中に来ると、ロバートの前に立つ。
外は雷が鳴り出し、見事なまでにショーを演出していた。
『1…2…』
イザベラを凝視するロバート…
『…3!!』
その瞬間、ロバートの瞳は大きく見開かれた。
そして…彼は消えた…。